B型肝炎は、B型肝炎ウイルスの感染によって起こる肝炎です。
感染しても無症状のケースが多く、3割は感染に気付いていないと考えられています。肝臓は自覚症状がないため、肝硬変や肝がんに進行してしまうリスクが高いです。
しかし、近年のB型肝炎の治療は進歩しています。適切な治療を受ければ病気の進行を防げるので、早期発見が何よりも大切です。肝炎ウイルス検査を受けたことがなければ、一度検査を受けてみましょう。
B型肝炎は血液検査で調べる
B型肝炎ウイルスに感染しているかどうかは血液検査で分かります。HBs抗原と呼ばれるB型肝炎ウイルスの外側の蛋白質を検出する検査を実施します。
正しい検査結果を得るためには、感染したと思われる時期から3カ月以上経過している必要があります。
HBs抗原が「陰性」だった場合
B型肝炎ウイルスに感染していません。ただし自覚症状があれば再度の検査をお勧めします。
HBs抗原が「陽性」だった場合
B型肝炎ウイルスに感染しています。検査結果を持ってすぐに病院へ行きましょう。消化器内科か一般内科が望ましいです。現在の感染状態を調べるために、更に詳しい検査を実施します。
郵送検査キットやクリニックなら採血してから数日~1週間後には検査結果を知ることができます。検査できる日にちは限られますが、都道府県等の保健所でも検査を行っています。(検査日時が限られます)
感染経路は主に性行為
現在の主要な感染経路は『B型肝炎ウイルス保有者との性行為』です。感染者の血液が自分の体に付着することで感染の可能性があります。
次のようなかたは、一度検査してみることをお勧めします。
- 家族に肝炎ウイルス保有者がいる
- タトゥーを入れている
- 医療機関以外でピアスをあけた
- 母子感染予防策が実施された1985年以前に生まれている
B型肝炎は、覚せい剤の注射針や刺青の針などの使いまわしによって感染が広がった経緯のある病気です。海外で刺青を入れるなら、衛生環境をしっかり確認しましょう。
昔は予防接種で注射針が使いまわされたことによるB型肝炎の感染がありましたが、現在では使いまわしはされていません。
B型肝炎の症状
B型肝炎ウイルスに感染した人の90%は無症状のまま治癒します。
残りの10%は急性肝炎となり、次のような症状が現れます。
- 倦怠感
- 食欲不振
- 吐き気
- 黄疸
- 発熱
急性肝炎になったら一刻も早い治療が必要
急性肝炎になった方の1%から2%は劇症化する恐れがあり、一刻も早く治療しなければいけない非常に危険な状態になります。
肝炎が進むと肝機能がストップし、最終的には死んでしまいます。
慢性肝炎が続くと肝臓がんになるリスクがある
慢性肝炎とは、6カ月以上肝炎が続いている状態です。
出産時・幼少期に感染して無症状のままのケースが多く、長期的に発症が続くと肝硬変からの肝臓がんになる可能性もあります。
B型肝炎だけでなく他の感染症の可能性もある
B型肝炎は血液との接触によって感染します。血液感染する「HIV」や「梅毒」に同時に感染している可能性があります。血液で感染する感染症の多くは自覚症状が少ないため、検査しなければ分かりません。
少しでも不安があるなら、一通りの性病検査を受けてみましょう。